ほんず内閣総理大臣

31
1月

輝く雪

冬になれば雪が降る。

雪が降れば、楽しみはスキー。

ワタクシが子供の頃は、スキーが最大の楽しみだった。

学校にも、スキーを履いて登校したりもしていた。

冬休みも、朝からスキーを履いて、近所の公園や土手に滑りに行っていた。

昼飯も食わず、夢中で滑っていたものだ。

ふと気がつけば、辺りは薄暗くなっていて、慌てて家路についた。

公道をスケーティングしながら、早く家に帰ろうとしても、除雪技術の未熟な当時は、車の轍が深くて大変だった。

「早く帰らないと暗くなっちゃう。暗くなったら母ちゃんに叱られる。」

急げば急ぐほど、前に進まなくなるような気がした。

モノクロの世界に、雪はしんしんと降る。

子供のワタクシは、心細くなり泣きべそをかく。

見上げると、街頭に照らされた輝く雪が。

ヒラヒラヒラヒラ

夜空が輝く雪に覆いつくされて。

天地がわからなくなるほど舞う雪に、「負げね~ど!」と小さく叫んで。

小さな窓から見えるオレンジの灯りと、青い煙突から出る蜃気楼のような煙が見えると、祖父の声が雪の奥から聞こえた。

「たっちゃん、遅がったでば。苦ぅ(心配)したじゃ~。え(家)さ入ってストーブさあだれ。どれどれ、手っこもしゃっこぐなってまったべ。」

と、ワタクシの手袋をはずし両手で包んでくれた。

玄関からはみそ汁の香りが。

モノクロの世界が、徐々に色づいていく。

そんな冬の思い出を、ふと思い出しながら1人で飲む週末の夜でございます。

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