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1月
1月
輝く雪
冬になれば雪が降る。
雪が降れば、楽しみはスキー。
ワタクシが子供の頃は、スキーが最大の楽しみだった。
学校にも、スキーを履いて登校したりもしていた。
冬休みも、朝からスキーを履いて、近所の公園や土手に滑りに行っていた。
昼飯も食わず、夢中で滑っていたものだ。
ふと気がつけば、辺りは薄暗くなっていて、慌てて家路についた。
公道をスケーティングしながら、早く家に帰ろうとしても、除雪技術の未熟な当時は、車の轍が深くて大変だった。
「早く帰らないと暗くなっちゃう。暗くなったら母ちゃんに叱られる。」
急げば急ぐほど、前に進まなくなるような気がした。
モノクロの世界に、雪はしんしんと降る。
子供のワタクシは、心細くなり泣きべそをかく。
見上げると、街頭に照らされた輝く雪が。
ヒラヒラヒラヒラ
夜空が輝く雪に覆いつくされて。
天地がわからなくなるほど舞う雪に、「負げね~ど!」と小さく叫んで。
小さな窓から見えるオレンジの灯りと、青い煙突から出る蜃気楼のような煙が見えると、祖父の声が雪の奥から聞こえた。
「たっちゃん、遅がったでば。苦ぅ(心配)したじゃ~。え(家)さ入ってストーブさあだれ。どれどれ、手っこもしゃっこぐなってまったべ。」
と、ワタクシの手袋をはずし両手で包んでくれた。
玄関からはみそ汁の香りが。
モノクロの世界が、徐々に色づいていく。
そんな冬の思い出を、ふと思い出しながら1人で飲む週末の夜でございます。