ほんず内閣総理大臣

10
10月

思い出は突然に

「苦ぅ、みんだな~」
「60過ぎでぶどう畑ば作って、寝るヒマもねぐやってきたもんな。」
「わげ~時は土方だの出稼ぎだので稼いで、体かしても(壊しても)休まねんで。」
「やっと休むにいいな。酒っこ、毎日そなえるはんでな。キセルも上げでおぐはんで。」

爺様があっちの世界に行ったときに、祖母がかけた言葉です。

なぜか今日、研修から帰る途中に頭の中によみがえってきたんです。

命日でもなんでもないんですけどね~。

あの時、出棺の間際に祖母が言った言葉なんです。

情景もリアルで、手を伸ばせば届いてしまいそうなくらい。

思わずカーラジオを消して、じっくり自分の頭に問いかけました。

なんで今??

でも、できるならもっとリアルに思い出したい。

もっときちんと悲しみを表したかった。

しばれる冬の日、ガサガサに荒れた手で頬を包んで
「たっちゃん、さんび~べ。(寒いだろ?) え(家)さ入ってぬぐだまりへ。(あたまたまりなさい)」

あの慈悲深い手が懐かしい・・・

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